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セカンドライフを楽しむ


by chingu-amigo
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定位放射線治療

数年前に癌と思われる病巣が肺に発見されて以来、定期的な検査を続けてきた。
その後多発性肺腫瘍と診断され、昨年11月と今年1月には外科的手術を経験した。
検査機の精度がより密になった分、癌らしき影は大小様々次々と見つかり、治療法としては大きくなってしまったものだけをその都度叩く…モグラ叩きのような方法しかないというのが多発性たる所以だ。
早急に手をつけねばならない大きさの腫瘍があとひとつあり、当初はこれも外科手術で切除する予定であったが、主治医から予後のQOL(生活の質)を極力落とさないためには手術より放射線治療の方がより効果的だと勧められた。

ところで、がん対策基本法という法律があるのを知っているだろうか?
この法に基づく国の指針により、各都道府県には各々1・2ヵ所のがん診療連携拠点病院が設置されている。(東京都は都立駒込病院とがん研有明病院の2病院)
私は今夏、主治医より駒込病院を紹介され放射線治療科を訪ねた。
担当医と相談した結果『定位放射線治療』を受けることにし、昨日からそれは始まった。

『定位放射線治療』とは、定位的放射線手術ともよばれる放射線治療で、体内の比較的小さな容積の腫瘍などに立体的(定位的stereotactic)高線量を短時間で集中照射する治療方法。病巣の形状や大きさ等にあわせて正確に照射することで、周辺の臓器・組織を傷つけることなく病変のみを治療するもの。

定位放射線治療_a0292205_18483589.jpgVERO4DRTというこの機械は全国でまだ5台しかないという先端機器だそう。
肺は呼吸器だから、呼吸のたびに膨らんだり凋んだりする。その動きに伴って腫瘍も動くから、照射中はCT等で確認しながら的確な位置決めをしていく。
本来、この機械はその名称4Dのとおり時間軸も制御出来る、つまり呼吸による動きも追尾出来る仕様になっているらしいが、残念ながら都立駒込病院では現在のところ3Dでの使用に留まっているとのこと。それゆえ呼吸の動きの範囲内での照射となり、癌細胞だけでなく正常な組織まで叩くこととなる。
追尾出来ればまさにピンポイント照射(現在4D使用は京都大学と名古屋?しかないらしい)となるわけだから、早く4D使用出来ればいいなとつくづく思う。

ブルーのシートは、事前に照射位置を決めるためのシュミレーションの際に型を取った私専用のシート。すっぽり身体が納まるように正確に象ったものだ。
治療のたびに同じ衣類を着て、動かないように、呼吸を揃えて…と。
患者によって照射する放射線量も回数も違う。私は1回12.5グレイを4回で計50グレイの予定。

初回の昨日は緊張もあって、息苦しくなったり咳込んだりして途中ストップしてもらう一幕も。
照射中は全く何にも感じないという患者も多いと聞いたが、私は上半身が熱を帯びて体内に熱気がこもるような感覚があって吐き気を堪えるのがつらかった。実際の拘束時間は30~40分程度だったようだが私にはすごく長く感じられとても疲れた。
by chingu-amigo | 2012-10-23 19:43 | 健康